第4話

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「また凄いのを選んだわね。こんなにハッキリと綺麗に色が分かれるのってまずないのに。やっぱり指輪にする?」 「ええ、指輪でお願いしますわ。細かいデザインは貴女に任せますわね」 「任せて頂戴!!私の技術を全て詰め込んで最高の仕上がりにして見せるわ!!部屋は自由に使って頂戴、キッチンも勝手に使って大丈夫だから。ふふ、今から作らなくちゃ…この私の迸るパトスは止められないいぃぃぃーー!!!」 そう言ってジュリーは作業場に文字通り飛んで行った。 あんなに情熱的になれるものなのね、私が瑠璃にかけるものと似たようなものかしら……ハッ、今の内に瑠璃の寝顔を思う存分撮っておかないと!! 足音を消して瑠璃のいる部屋に入りベットの方へと視線を向ける……ベットの中央がこんもりしていた、きっと丸まって寝ているのでしょう。 そう思いながら掛け布団をそっとあげると寝惚け眼の瑠璃と視線がかち合った。 「あ、あら…瑠璃、起きましたの?」 落ち着きなさい私!! 大丈夫、まだ大丈夫なはずよ……べ、別に疚しいことをしようとしていた訳じゃないですし!! 言い訳にならない言い訳を自分の中でしていると不意に瑠璃に抱きつかれた。 「んー…えへへー。くりすのにおいあんしんするー」 こ、これは!! 昔、瑠璃のお母様に聞いたランダムに発生する貴重な瑠璃の夢遊病デレデレ幼児化バージョン!! 寝ぼけてるのか本当に夢遊病なのかの真偽はわかりませんけど、一つ確定しているのはこの状態の自分を全く覚えていないということ。 瑠璃のお母様の時は甘えん坊のクーデレが最後だったと言っていたはず。 この夢遊病には色々種類があり、現在3種類確認されているとか……そして年が経つにつれて瑠璃の夢遊病は起きなくなり現在では一年に一回あるかないかの頻度らしい。 ちなみに滅多にないこの機会を利用して普段なら絶対着ないゴスロリの服やメイド服を着せて写真に収めたと言っていた。 まさか私にもこの瞬間が訪れるだなんて!! そこからの私の行動は早かった、瑠璃にお願いして巫女服やメイド服を着てもらい能力をフル活用して夜が開けるまで写真を撮りまくった。 瑠璃の猫耳でのねぇね呼びは鼻血ものでしたわ。
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