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「いつから起きていたんだ?」
「まず、質問に答えろや」
「簡単なことさ。組織が山に着くまでに潰すんだ。儀式を待つ必要はないからね」
「――そうか。よし、それなら、さっさと案内しろ。寝ている間に儀式を始められたら厄介だ!」
シルエットは、膝を叩いて立ち上がる。
「いや――僕も眠りたい」
「そんなことを言ってる暇はねえだろ!」
シルエットが、無理矢理、ラヴィアを立ち上がらせる。その表情は嬉々としていた。
「ねえ、提案があるんだ。聞いてくれる?」
クレアが、言った。
「提案?」
ラヴィアが聞き返す。
「私の転移で貴方達をキャンプまで連れていく。貴方達をキャンプに落としたら私は、敵として振る舞うわ」
「敵として? 戻るつもりがないのなら、そのまま姿を眩ませばいいのに」
「私もやりたいことがあるんだ。少しの間、協定を結んで欲しいの」
ラヴィアとシルエットは、一度、視線を交差させる。
「無理にとは言わないよ。どのみち私は貴方達を裏切るんだから」
「俺は、組織を潰して、悪魔の石をぶっ壊せればいい」
シルエットが、言う。
「君が何をしたいか知らないけれど、組織の内部に潜る必要かある。転移を頼めるならそれでいいよ」
ラヴィアも内容は問わずに言った。
「ありがとう。奴等が次のキャンプと合流するのは明日の朝。少し時間があるから休む時間はあるわ」
クレアが、小さな懐中時計を見た。
「そうか。すまない。シルエット、僕は少し眠らせてもらうよ」
ラヴィアは、言うなり横になり、直ぐに寝息を立てた。
「不眠不休の奴なんかいねえよな。おい、妖精。お前の名前はなんだ?」
シルエットは、そんなラヴィアの背中を一瞥し、諦めた様子でクレアに問いかける。
「私は、クレア」
懐中時計をしまい、シルエットを見るクレアは、どこか怯えた表情をしていた。
「俺は、シルエットという。短い旅だが宜しくな」
「――宜しくされたくは無いんだ。利害関係が一致してるだけたから」
「利害関係ねえ、難しいことは解らねえが、先に聞いておくことがある」
「なに?」
「悪魔の石を誰が所持しているか解るか?」
シルエットの質問にクレアが戸惑いを見せる。
「残念だけど詳しくは、知らないんだ。私に解るのは、その石を隠し場所から持ち出した輩が居るということ」
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