1章 出発

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空気が、剣を掴むユズキの手に絡み付き、シルエットの一閃と共に、弾けた。 ユズキの腕は消えた。それだけでなく、右顔面も爆風で消失。叫びは、迅速に衰え、屍は、水飛沫の中に沈んだ。 「やれやれだ」 シルエットは、笑いながらラヴィアの元に戻る。 「一体、何をどうしたらそうなるんだ」 ラヴィアの第一声にシルエットは、言った。 「師匠が、気流法の使い手だったんだよ」 「気流法なんて聞いたことないよ?」 「混血児ならすぐできるが、面倒だから教えてやらねえ」 シルエットは、剣をしまう。 「なんだよ。それ」 「それより、神器のことでも考えろ。あの神主みたいに変な能力が芽生えるかも知れねえぜ?」 「神器なんか簡単には使えないよ。僕が持っているのはセイルーヌ嬢のものだよ?」 「そいつは違いねえや。きっと、一撃必殺の凶悪な武器なんだ」 シルエットは、呑気に笑った
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