12人が本棚に入れています
本棚に追加
体育館に到着すると、すでにたくさんの生徒が集まっていて、新しいクラス割りが貼られたスペースにざわざわと人が群がっていた。
人の数が多すぎて自分が何組か確認できずにうろうろしていると、アカネが後ろから呼びかけてくれた。
「ソラー!うちらまた同じクラスだよ!?やったねー!」
「うっそ―?良かったああああ。」
あたしはアカネにぎゅっと抱きついた。
アカネは高1で同じクラスになり、人見知りなあたしに最初に声をかけてくれた子。
タメとは思えない程しっかりしてて、サバサバしてるけどすごく優しい。
一緒にいてとても居心地が良くて大好き。
髪切った?、とあたしが言うと、アカリは少し照れ笑いを浮かべた。
「ちょっと短くしすぎじゃない?」
アカネはそう言って、しきりにメガネを触る。
恥ずかしいときにでてしまう彼女の癖だ。
「ううん。すっごく似合ってる。」
アカネの大人っぽい顔、そしていつもの赤いフレームメガネに、ショートカットは本当によく似合っていた。
なんだかますます大人っぽくみえて、ほんと羨ましい。
「てかね、それよりニュース。あたしたちのクラスきっと注目されちゃうよ。なんと我が校のアイドル『北嶋ユウスケ』もあたしたちと同じ1組だよ!
『北嶋ユウスケ』
その名前を聞いてあたしの胸の奥で
ドキン
と大きな音が鳴る。
最初のコメントを投稿しよう!