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胸の圧迫感で目を覚ました。
自分と同じ紫の双眸が今日もそこから俺を見つめてくれている事に、幸福感を覚える。
「……でも正直な所、重いですよ。降りて下さい」
寝起き特有の掠れた声で言うと、白猫は顔を背けて欠伸をした。
大口を開けた時に剥き出しになる牙も、可愛らしい。
意図せずとも緩む口許が更に開き、俺もまた欠伸をする。
初めて猫から欠伸を移された時はそれなりに驚いたものだが、今ではただの日常風景であり日課ともいえる光景である。
「ニジュ、ごはん」
その一言で愛猫は、さっとお皿の前に移動する。
駄目押しの様に蹴り飛ばされた胸の物理的な痛みに呻きながら苦笑するのも、いつもの事だ。
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