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愛猫が朝食を咀嚼するカリカリという音を聞きながら、自分は身形を整える。 服を脱いだ右腕に残る火傷の痕が目に入った時、先程まで見ていた夢の事を思い出した。 何度も夢に出てくる場面。 それはかつて、実際に自分がこの目で見たものだ。 そしてそれは同時に、自分自身がタラゼドの一員として生きる道標ともなった最初の出来事の光景でもある。 着替え、洗顔を済ませた後に髪を梳かす。 鮮やかなグリーンの髪から適当な毛束を取り、黒くスプレーで染めた。 最後に黒い布を口許に巻けば完了。 あとはゆっくりと猫の食事風景を見ていれば良い……筈なのだが。 「……遊び食いって、直らないよね」 半端な所で食事を中断するニュアジュと遊んでしまうから、朝は何かと忙しい。
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