アルデバラン

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俺は溜め息を一つ。 幾らザコでも、集まればそこそこ厄介だ。 だが、こいつらを倒さねば自国の領土がまた持っていかれる。 その時、俺達の遥か後ろで不安な思いをしている国民は、敵国の餌食になってしまう。 搾取が、暴力が、陵辱が、無秩序な蹂躙が民を襲う。 そう考え、頭に浮かぶのは二つの選択肢。 "逃げる"か、"殺す"か。 勿論、答えは"殺す"。 "死ぬ"、は有り得ない。 それは自分で選ぶものではなく、唐突に訪れる物。 選択肢の枠に入れる自体が、共に戦う仲間への侮辱でしかない。 敵の一機へ狙いを定め、シリウスを走らせる。 「"クレイモア"」 右腕を大剣へと変換し、曲刀を受け止め、 「"レイピア"」 細長く鋭い細剣と化した左腕で、メインコアを貫く。 すかさず、左右から二本の曲刀が襲いかかるが、次は逃げない。 両手の剣で受け止め、弾く。 そのままの流れで、左右のプロキオンの右腕を刈り取る。 敵の曲刀が、こちらのメインコアに迫る。 シリウスの体を捻り、辛うじて回避する。 お陰で人間で言うと脇腹に当たる部分を軽く損傷してしまった。 しかし、 ──……そろそろ、か。 最適化された思考の中で呟いたかどうかも判断できないようなその一瞬。 唐突に現れた紅い機体がプロキオンを纏めて五体粉砕した。
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