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アバンタイトル
どんな場所にも奇跡は届く。
どう受け取る止めるかは別の話。
うららかな陽気。
賑やかな街並みで輝かしい青春の1ページ描く少年少女。
どんよりした妖気。
日差し遮る商業施設の隅で鈍い音。
ズドッ
「あぐ……」
男の目がグルンと上を向き、泡を吹く。
ドサッ
連れらしき男は何かに気付いて青ざめた。
「お、お前は、まさかあの……!ひぃ!」
慌てて転びそうになりながら逃げ去る。
ザァ……
陰陽混ざり合う風。
束ねた黒い髪を跳ねさせた少女。
ゆったりと散歩道への木陰を歩き出す。
その背後には数人が転がっていた。
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