第1話

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塾は、大通りを少しなかに入った、わりと大きな川沿いにある。 入り口前の細い道をはさんで、土手があり、その向こうに河川敷がひろがっている。 近くのにぎやかな大通りからは、想像もつかない静けさだ。 「花火大会の日は、休みにしてるんだ。その日ばかりは騒がしくて、授業にならないから。 それに、生徒も花火を見に行っちゃうだろ?」 私は、なるほどなぁって思って先生をみつめていると、 「僕は、いつもここから眺めてるけど、今年は、外でみるのもいいかもな。」 そう言う先生は、気のせいかどこか遠くをみて考え事をしているようだった。
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