始まりは春の風と共に

4/6
前へ
/6ページ
次へ
トラックが、もうすぐそばまで来ていた 「逃げて!!!!!」 「あ、う…」 男の子は動けない ただ涙を流し、歯をガチガチ鳴らしている 運転手も携帯電話をいじってるみたく、こっちに気付いていない 「おい!お嬢ちゃんに坊主!逃げねえと危ねえよ!!!!!」 「早く!こっちへ!!!!」 ゆうは考えた 自分は動けるけれど男の子はそうじゃない 優先順位は自分より、荷物より、この子だ 「頼みます!!!!」 ゆうは男の子を投げた 小学生のように小さい彼はとても体重が軽く、ゆうでも投げることが出来た これで自分も早く逃げれば… 「お姉ちゃん!危ない!!!!」 キィィィィッッッ!!!!!!!!!!!! 「 え… 」 辺りのあのざわめく声 あの男の子の叫び声 鼓膜を裂くようなブレーキの音 もう、何が起きたか分からなかった
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加