0人が本棚に入れています
本棚に追加
トラックが、もうすぐそばまで来ていた
「逃げて!!!!!」
「あ、う…」
男の子は動けない
ただ涙を流し、歯をガチガチ鳴らしている
運転手も携帯電話をいじってるみたく、こっちに気付いていない
「おい!お嬢ちゃんに坊主!逃げねえと危ねえよ!!!!!」
「早く!こっちへ!!!!」
ゆうは考えた
自分は動けるけれど男の子はそうじゃない
優先順位は自分より、荷物より、この子だ
「頼みます!!!!」
ゆうは男の子を投げた
小学生のように小さい彼はとても体重が軽く、ゆうでも投げることが出来た
これで自分も早く逃げれば…
「お姉ちゃん!危ない!!!!」
キィィィィッッッ!!!!!!!!!!!!
「 え… 」
辺りのあのざわめく声
あの男の子の叫び声
鼓膜を裂くようなブレーキの音
もう、何が起きたか分からなかった
最初のコメントを投稿しよう!