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それが訪れたのは、自称『彼女』である変人(かひと)が俺に告白してから、まだ一ヶ月と数日しか経っていない、いつも通りの日だった。
いつも通り休み時間が来て、
いつも通りあいつがやって来て、
いつも通りくっついて来て。
ただいつもと違ったのは、今日はかなりの大人数で喋っていた事だ。
四十人のクラスメイトの内、約十人くらいが集まって話をしていた。
「やっぱカラオケならこの曲でしょ!」
「えー俺はこっちかなぁ」
「そんなんよりもやっぱアニソンでしょ!」
「お子様だねぇ」
ワイワイガヤガヤ、という効果音がよく似合う光景だ。
俺はそんな皆のカラオケ談義を、変人(かひと)を適当にあしらいつつ、相づちを打ちながら耳を傾けていた。
「なあ!
良人はどう思う?」
不意に、話の中心にいた友愛(ともよし)が、俺に話を振ってきた。
「うーん
俺結構色んなジャンル好きだからなぁ…
今出てきたのは大体全部好きなジャンルだよ」
と、俺は当たり障りの無い回答をする。
その時だった。
あいつが、それを発したのは。
「あ!
分かった!!」
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