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いきなりの変人(へんじん)様の大声に、賑やかだったグループの会話が、一発で途切れた。
そして当然のごとく、皆の目は変人(かひと)の方へと向く。
俺も皆と同じく、皆の視線の先へと目の焦点を合わせる。
だが、俺は皆のように、好奇の目で変人(かひと)を見る事は出来なかった。
もしかしたら、もうどこか心の奥底で感じていたのかもしれない。
変人(かひと)の俺を見る目が、どことなく探るようになっていた事を。
「おっ!
愛しの彼女がなんか言い出したぞ!」
「お熱いねー!
まさか!?愛の告白!?」
「なになに?
面白そーじゃん!」
グループの皆が口々に冷やかしの言葉を口にする中、変人(かひと)はそんな事は全く気にする様子も見せずに、周りの賑やかな喋り声の中でもはっきりと聞こえるような大声で、言った。
まるで、俺に告白して来た、あの時みたいに。
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