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「私は、良人が、毎日必ず昼休みになるとここに来ていた事を知っている。」
正直俺は絶句した。
何故なら、俺はいつもここに来る時、細心の注意を払ってここまで来ているのだから。
だって、ここは俺だけの場所であり、
ここは俺だけの食事場所であり、
ここは俺のーー
俺だけの、一番居心地の良い場所だから。
だからここには、誰も来て欲しくは無かったし、俺が毎日ここに居ると言う事実も誰にも知られたくは無かった。
なのに、こいつは俺が毎日ここに来ている事を知っていた。
良く考えたら、あの告白の時、あいつがわざわざここまで来て告白して来た事実を考えてみれば気付いたはずだ。
だが、あんなに普通の休み時間にはベタベタとくっついて来るくせに、屋上に居る時にはあの告白以来一度もくっついて来なかった。
それどころか、屋上に姿を現しすらして来なかったのだ。
正直、あの強烈な性格のせいで、何故あの告白の時に俺の居場所がここだと思ったのかなんて、考えもしなかった。
しかも、次に出た言葉は、今の言葉よりも核心的で、俺の度肝を抜くには大き過ぎる内容だった。
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