13人が本棚に入れています
本棚に追加
これは、いつの事だっただろうか。
多分、高校二年生になってから、まだ一ヶ月も経って無いくらいの時の事だ。
その日も俺はいつも通り、長い階段を体力も惜しまず全速力で駆け登り、一人屋上に着いた。
別に後から友達がやって来る訳ではない。
別にぼっちという訳でも無い。
クラスには、仲の良い友達だって、ちゃんと居る。
ただ、何となく一人の時間が欲しいと感じるのだ。
幸いな事に、この学校は六階建てで、わざわざ苦労してここまで登ってこようという生徒も居ない。
なので俺は、お昼の長い休み時間を一人で過ごせるこの場所に、毎日弁当を持って足を運んでいた。
今日も一人でゆっくりとくつろげる、一日の内一番の至福の時間が始まる。
そう思っていた。
あいつが屋上にくるまではーー
最初のコメントを投稿しよう!