その出会いは突然に

3/3
前へ
/97ページ
次へ
そいつは、俺が弁当箱を開け、大好物のプチトマトを食べようと箸でつまみ上げた瞬間に、屋上に入って来た。 そして入って来るなり、俺に向かって大声でこう言った。 「合性良人(あいせいよしひと)! 好きだ! 私と付き合え!」 …。 俺の箸から、大好物のプチトマトが転げ落ちた。 しかし大好物が地面を転がっても、俺はまだ動けず、その場でプチトマトをつまんでいた時の体勢のまま静止していた。 だってなぁ、人が来るはずの無い屋上で、しかもいきなり人生初の告白と来たもんだ。 驚かない訳が無い。 そして何より、一番驚いた事といったらーー 「お前誰だよ!?」 俺は思わず叫んだ。 まさか見ず知らずの女子が、いきなり告白してくるとは、誰も思わないだろ?
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加