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あいつの名前は『変人勇気(かひとゆうき)』と言うらしい。
俺の二つ後のクラスで、身長153センチ、体重41キロだとか。
何故こんな個人情報を知っている奴が居るのか謎ではあったが、もっとびっくりする事実があった。
彼女は、この学校でもかなり有名な人間らしい、ということ。
国語の時間はいびきをかいて熟睡、
数学の時間は大学生の問題を一人で先生の話も聴かず自主勉、
理科ではどう混ぜるのか実習では必ず大爆発、
社会では歴史上の人物しか憶えず、
英語に至ってはもうどの国の言葉もごちゃまぜで話をし出すと言う。
しかも喋り方もどこか男らしいと言うか、中二病と言うかといった感じだ。
その為付いたあだ名が『変人(へんじん)』。
たまたまあいつの名字が、『変人』(かひと)と言うので、読み方を変えて『変人』(へんじん)と、そのものズバリな名字だった事から、そこと本人の変人ぶりに掛けて付けられたのだろう。
そんな奴が、何故俺みたいな見た目も中身も平々凡々な奴に告って来たのか。
何の接点も無く、こんな有名人である変人(かひと)の事を何も知らなかった俺が告白された理由については、誰に聴いてもさっぱり分からなかった。
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