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「真由さん美人だよねー」
私はちらりと視線だけを向けた。
「なんじゃそりゃ。今さらナンパか」
「ちっがーう! 改めて言うけどっていう感じだよ! そりゃ最初は美人さんだったから声をかけたけど……」
彼の言葉に私は呆れた視線を向けたまま、ため息をついた。
週に三回、ルーカスとは会うようになっていた。そして初めに会ったときのように椅子に座って私の絵を描く。
一度、「私の絵ばっかり描いてても練習にならないんじゃない?」と尋ねたことがある。だけど「まぁいろんなの描いてるから」と言われただけだった。
「で。できたの?」
私はまだブツブツと言っているルーカスに声をかけた。言い訳しながらもしっかり手を動かしているところが彼らしい。
「うん、できた。どう?」
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