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「そこのおねーさん、ちょっと寄ってかない?」  通りを歩く私に声をかけてきた人がいた。  振り向いて、私は振り向いたことを後悔した。  そこにいたのは金髪に濃いブルーのサングラス、所々に絵の具をつけたダボダボの服を着た男の子だった。声からして男の子だろう。鉛筆で私の方を指していた。 「いえ結構です、急いでますから!」  怪しさ全開の人物の元から足早に立ち去ろうとしたけれど、その人にがしっと腕をつかまれて、それは叶わなかった。 「まーまーそんなこと言わんと。ちょーっとそこに座っとくだけでいいから」  そのまま引きずるようにして、私を道端に置いてあった折りたたみ式の椅子に座らせた。そして自分は直接地面にあぐらをかく。 「なっ……なんなんですか!?」
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