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「まぁ本名じゃないけど、絵描いてるときはルーカス。なんか画家っぽいでしょ?」
そんな理由でルーカスだったんだ……。
「ルーカスは画家を目指してるの?」
「うん。でもねー見ての通り人物画が下手でねー」
ルーカスは鉛筆を動かしながら苦笑いを浮かべる。
「俺さ、苦手なものがあるのが嫌なんだ。俺の絵を見てハッピーになる人がいるなら、もっともっとハッピーにしてあげたい」
そうしてルーカスはトンっとスケッチブックを私のほうに向ける。
「そのために、描く」
その瞳に少しドキっとした。
「どう? 真由さんどう? この前よりも良くない?」
ルーカスが真剣な表情をパッと変えて、キラキラした目で尋ねてくる。今の私には彼は少し眩しいかもしれない。
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