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『成人おめでとう』
『これからは大人の自覚を持って行動するんだぞ』
『お酒は程々に、飲んでも飲まれるな』
『今が一番輝かしい時だから、いい思い出を作りなさい』
『友達を大切にしなさい』
沢山の人から言われた台詞が頭の中に浮かんでは消える。…僕は今、なにをしてるんだっけ?
目の前の舞台には森林伐採され中な頭のよく名前の知らない市長が、長々と演説してる。周りにはスーツやら袴やら振袖を着た、成長した同級生達。そうだ、成人式だ
僕の隣には誰もいない。何百人といる会場で僕の周りにはポッカリと不自然な空間が空いている。そりゃそうさ、それでいい
僕がそうしたんだ
意外と巨大な会場の中で淑やかに行われる式なんてどうでもいいよ
こんなのどうでもいいよ…今朝そう言ったら両親に「そんな子供みたいなワガママを言うんじゃありません」ってしばかれたっけ
それなら僕は子供でいいや
凪
「……そもそもどこから大人でどこからが子供なのさ」
あぁ、でも子供だと色々制限されてしまうな。それだけはさけたい
僕の呟きは市長の演説に対する義務的な拍手で掻き消された
やっと終わった…と思ったら入れ替わりに今度はこの市出身の芸能人がやってきた
あぁ……早く終わって
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