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ふぅぅぅ~。
時計を見ると、21時半。
ま、そろそろ撤収かな。
残業を切り上げ、そそくさと机を片付ける。
無駄に残業しても会社からは嫌な目で見られるし、ここら辺がいいトコ。
残業に集中し過ぎで食べ損ねた冷たい鯛焼き。
君は、一緒に我が家においで。
温め直してあげようね。
まだ集中しているオハギさんの邪魔をしないよう、そぉっと鞄に仕舞う。
そして、そぉっと鞄を抱えたら携帯が震えた。
ー10分待てー
あぁ…またか…。
パソコンを見詰める目がこちらをチラ見した。
私は、両手を胸の前でバッテンの形にした。
1人で帰れるっちゅーの!
まだ電車もあるし。
そうやって、甘やかしてくんなっ!
自分の意志を示し、出口に向かうと、隣りの佐藤さんが…。
「頼む…。」
ボソボソと呟いた。
でもさ、あらぬ誤解されんのよ?
定期の意味無いし。
監視されまくってるみたいで、息苦しいんだよね。
妙にむず痒くなるし。
「頼む…。また残業増やされるんだよぉぉぉ。」
知らねぇですけど?
オハギさんの佐藤さんへの対応は、私のせいじゃなくない?
ゴチャゴチャしてたら、腕を掴まれてしまった。
「捕獲。…佐藤も、早目に切り上げて帰れ。」
強引に引っ張られて歩く。
振り返ると、ホッとした表情の佐藤さん。
明日は、完全無視してやるからなーっ!
佐藤さんをキッと睨み付けた後、腕を掴む手を振り解いた。
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