スペードのA

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―――ピピピピピピピ・・・ スマートフォンに手を伸ばし、煩く鳴り続けるアラームを止める。 時計の針は2本とも6の近くを指している。 6時に掛けたはずの目覚ましは、スヌーズ機能の最終アラームを告げていた。 朝が弱いのは今に始まった事じゃない。 こんな早起きをしなければならないなら、もっと近くの高校に進学すれば良かったと後悔した事が何度もあった。 だけどあの高校に進学したから、私は今でも大好きな事を続ける事ができている。 地区最難関の進学校。 だけど合唱部のレベルは全国に通用する程。 この学校に入って歌を続けたい。 3年生になった今、そんな私の思いがようやく実を結んだ。
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