スペードのA

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バス停に到着して間もなく、自分が乗る路線のバスがやってきた。 電光掲示板には“旭川駅前”と表示され、このバス停から10分程で駅前のバスターミナルに到着する。 そしてその次は、駅前にある百貨店前のバス停から学校へ向かうバスに乗り継がなければならない。 バス待ちの列に並び順番を待ってバスに乗車した私は、混み合うバスの中に立ち吊り革を握っていた。 背の低い私にとって、この吊り革に捕まる事は至難の業だ。 しかし背伸びをしてギリギリ届くその吊り革以外、この混み合った車内で私の掴まる場所はない。 ふらふらして足が攣りそうになりながらもしっかりと立ち、もうすぐ乗ってくるであろう“保護者”を待つ。 バス停を1つ通り過ぎた頃、私と同じバスに乗ってきたのは・・・。
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