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・・・この現実から目を背けていた。
憎むべき父の血が彼女にも流れている事実・・・
僕であって僕でないような・・・僕の身体が誰かに操られているようなそんな感覚さえあった。
そして現実世界の色が消え、目前景色は白黒に明滅し、それからゆっくりとぼんやりと虚構世界の入り口が開かれ墨色が拡がっていった・・・闇がまた・・・闔を開けてやって来る・・・。
そしてそのとき意識が朦朧とする中で彼女の笑顔がフラッシュバックした。
そうなんだ・・・
彼女は、僕の大切なものばかりを僕から取り上げ・・・る。
11歳の秋の終わりだった。
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