第2話 記憶の匣

「彼女とブランコ」

ブランコに乗りながら彼女をチラチラと観察した・・・幼女の彼女を。

頭の後ろの高い位置で琥珀色の髪を赤いチェリーの髪止めで二つに束ねている。

白いダッフルコートで 身体を包み込み、その膝上の裾からはワンピースらしい白いヒラヒラを覗かせている。

そしてか細いすらりとのびた足首からの膝下まで届く白地にチェリー柄の靴下を履いていた。靴は横のボタンでとめる型の黒色の革靴だった。どことなく無機質でお人形さんのようで…。

なぜか彼女も僕と同じ瑠璃色の瞳をしていた。