かあさんの唄

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1⃣ 時は、5月の大型連休があけた日の朝の食卓にて… アタシ・けいこは、ダンナ(47歳)の朝ごはんを作った後、システムキッチンの流しで食器の洗い物をしていた… ダイニングのテーブルの上には、白いごはんと麦みそのお汁(おつい)とだし巻きたまごときんぴらごぼうとひじきとたくあんが置かれていた… ダンナは、ごはんを食べずに、だまって愛媛新聞を読みながらフキゲンな表情をしていた… ダンナがフキゲンな表情をするようになっていたのは、この3月に会社から下請け会社に出向を命ぜられた日からであった… 営業の仕事から外されて、お給料も半分に減っていたので、夫婦生活がマンネリしていました。 それまでは、松山市に本社がある大手農機具メーカーの営業マンで年収は600万円と安定していた… 今現在は太山寺町(たいさんじまち)にある下請け会社の工場勤務で、自宅のある北持田町と出向先の職場との距離が遠くなっていました。 そのことが原因で、ダンナはアタシに不満ばかりを言っていました。
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