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『ここからが俺のステージだ!』
テレビの向こうにはいつもヒーローがいる。
人を笑わせる人、感動させる人・・・
いつもたくさんのヒーローがいる。
いや、テレビだけじゃなくもしかしたら誰かが誰かのヒーローになれるのかもしれない
そんな安いことを俺はぼんやり考えていた。
「剣君ー!そろそろ学校よー!」
「うん、今いく」
母さんの声に急かされ鞄をもち下に降りる。
「いってらっしゃい、今日はすぐに帰ってくるんでしょ?」
「終業式だけだから・・・多分すぐに帰ってくる。いってきます」
自転車に跨がり、学校へ
先ほどの人は本当の母ではない、俺の両親は昔死んだらしい。
里親に預けられた俺は愛情をもって育てられた。それは分かってるんだ、でも
俺には分からない・・・狂ってるから
気を取り直して今日は終業式
体育館に集合と言われたが、今日に限ってはサボった。
普段はあまりしないことだがこの日はなぜか・・・だ
早引けしてやろうと思って靴を履き替え玄関を出た。
明日から春休み
クラスのみんなは遊びにいったりするのだろう、もちろん俺も誘われたが・・・断った
行ったら楽しいが・・・それだけだ金の無駄だ
春休みが終われば三年生、いよいよ受験だ
そのまま大学、社会人・・・俺の人生はこれで終わりなのだろうか?
こんな平凡な形なのだろうか?
俺はほしいんだ・・・日常の中にとびっきり俺がわくわくするぐらいの非日常が
それがあれば俺の失われた感情は戻るのだろうか?・・・そんな期待も込めてだ
だがしかし・・・あるわけがない
非日常はこないから非日常というのだ
仮面ライダーの観すぎだな、帰って寝よう。
俺も・・・運命と闘うことができたらいいのに
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