第3話

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「は……はいっ!」 「サタンのボディーチェックもだ。彼が手に持っている拳銃以外隠し持っていないかをね」  涼は頷き、恐る恐る後ろに控える<死神>たちに近づき、体を触っていく。<死神>たちは微動だにせず成すがままボディーチェックに応じている。  この時ようやくサタンが口を開いた。 「不公平です捜査官。私たちからもボディーチェックの権利を要求します」 「サクラちゃんたちが己らみたいな卑怯な真似すると思うのかぁ~!!」  サクラは大声で怒鳴る。怒鳴りながら背中からS&W M15を取り出し木箱に置いた。 「ボディーチェックをすればいい」  拓は非武装が確定した<死神>に……と言ったがサクラが猛然と抗議する。 「サクラちゃんは女の子だぞっ! 誰があんなむさいオッサンに体触られるなんて真っ平! 人権侵害児童猥褻で訴えるぞ! 児童猥褻でムショに20年ぶち込むゾ! 拓ちんをっ!!」 「何で俺になるっ!!」 「許可したら拓も同罪じゃ! ……上着ぬぎゃそれでサクラちゃんはいいだろーが!」  そう言いながらサクラは愛用のGジャンを脱ぎ、いつも外に出している黒のTシャツをズボンの中に押し込んだ。普段、サクラはダブダブの服を着ているため体型はわからないが、こうしてちゃんとシャツを入れるとサクラはかなり華奢な体だということが分かる。確かにこうしてしまえばサクラの体型や服装から見て銃があるかないか一目瞭然だ。 「では捜査官も同様に上着を脱いで下さい。捜査官は足の裾も捲ってもらいます」  サタンはそう言い<死神>がボディーチェックする事を止めた。サタンからすれば武器なしで拓に近づく事に危険を感じたからだ。サタンを含め銃なしであればこの場で一番強い戦闘力を持っているのは拓だからだ。拓は言われたとおり上着を脱ぎ、ショルダーホルスターごとベストも脱ぎシャツだけになる。武器は出てこなかった。 「チェックしました! 武器はないですっ!」  涼が拓に向かって大声で知らせる。  拓は頷き、サタンを促した。サタンは頷き、二人は同時に後ろにある木箱に向かい、それぞれ銃を置くと、5歩ずつ前進した。  両者の距離は15mを切った。  サクラの手には完全防水しブイと錘をつけた携帯電話。拓は縛り上げた柴山と速見を。サタンは戒めを解かれた涼がいる。 「じゃあ、予定通り取引だ」  拓の宣言にサタンは静かに同意を示した。
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