第1話 はじまり

2/12
21人が本棚に入れています
本棚に追加
/326ページ
爽やかな風が吹き抜ける。 森の木々が風に吹かれ、葉のこすれる軽やかな音がする。 少年は森の真ん中にある広場に寝転がり、空を眺めていた。 すみわたる青い空に、白い雲がゆっくりと流れていく。 少年の視線は空と大地の間にあるものに向けられていた。 それは普通ならあり得ないもの。 複雑な彫刻がびっしりと彫られ、ピカピカと光る金色のノブが片側だけについている、厚み50センチほどの扉 。 それが空中に浮いている。 いつからそこにあるのか誰も知らない。
/326ページ

最初のコメントを投稿しよう!