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……それから半年後。
桜さんは、……まだ私と月の心の中に生きている。
結局墜落した飛行機は見つからなくて、乗客乗員、全員死亡という事で片付けられた。
忘れたいような、忘れられないようなその記憶。
ずっとあの人の帰りを待ってたのに、信じて待っていたのに……。
そう宣告された後、私は三日三晩、ずっと泣き続けていた。
……胸にぽっかり穴が空いてしまったように、食事も摂る事が出来なかった。
そんな私を支えてくれたのは、やっぱり月だけで――。
―――…
そして今日はとても穏やかな日だ。
……教会で鐘が鳴る。
ここは、横浜のとある教会。
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