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教会を出た私の目に飛び込んできたのは、フラワーシャワーというもの。
綺麗な花びらがシャワーのように、降り注いでくる。
「ままーきれー」
可愛い女の子が、そう言って駆け寄ってきた。
そんな月優を抱き上げたのは、月だった。
すぐに私はブーケを手にしたまま、参列者に背を向ける。
……そして後ろ向きにそのブーケを放つ。
“私のように苦しまないで、このブーケの分だけ幸せになってほしい”
そう願いを込めて。
だって私は、今はとても幸せだと、胸を張ってそう言えるから。
その瞬間。
「痛てぇなぁ優陽、全くコントロール悪すぎだぞ!」
と参列者の一番後ろの方から、そんな声が聞こえてきた。
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