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「羽山お疲れ」
「お疲れ様です」
自然と二人で帰路に着く。
「初見が枝豆投げて来たんだけど。
豆髪についたりしてない?」
ぶるぶる頭を振るとさらさら髪が揺れた。
「大丈夫ですよ?
2人で話すとまるで小学生見たいですね」
「えー、何それ」
「初見さんは、嬉しいんですよ」
「……?」
きゅっと口を結び見上げてくる。
「先輩には本音が言えるから」
「……そうなの?」
「初見さんみたいな立場だと色々なしがらみがあるから、それを相手から突き破ってくれるのって結構貴重なんですよ」
「……初見とそんな仲良かったっけ?」
「……」
足を止めて先輩を見つめた。
「……羽山?」
暫くして気付いた先輩は振り向いて首を傾げた。
夜風が吹いて髪が流れる。
乱れた髪を耳にかけて自分の言葉を待っている。
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