恋を知らないの

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いつもは雪乃とバスも一緒なのに、今日は優花から仕入れたアレを使うって言ってたっけ! 学校には、チャラ男と呼ばれる類の男が迎えに来ていたし……。 それで生徒会長まで狙ってるんだから、雪乃って男の範囲広いよね? ……まぁ到底このあたしには真似は出来ないんだけど……。 とりあえず走るか! 近道のいつも通る公園を抜ければすぐに家だもん!! ……と思って、長ったらしい髪の毛を振りかざしたあたしは、泥んこが制服のスカートに飛び跳ねるのも我慢しながら、公園を横切って走った。 けどそんなあたしの視点は、ある場所ですぐに止まってしまう。 ……雨が容赦なく頭上に降りてくるのも忘れて、そこから身動きを失ったんだ。 ―――城生渉斐。
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