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ソウヤside
みんなで全力で走った挙句、再び道に迷った僕らは皆して機嫌が悪かった。
お腹はすくし、もう嫌だ。
一応僕はこの中で一番年下だよ、年上であるしかも20歳の双子がどうにかしてくれてもいいんじゃないかなって。
「もー疲れた」
肩を落とし僕は心から凹んだ。
もう、何があってもこの人達に地図を渡さない。
そして仕事や戦争に行く時は、サクヒと一緒に行く。
あの、カタコト団長も一緒に来るけどそれはそれでもう我慢できる。
「なぁー皆ー
なんか歩いてきてるよ」
そういったシノの指先には、真っ黒な何かがすごい速さで走ってきた。
と、いうか、こっちに向かって走ってくる黒い物体。
「ちょ、な、な、な、なんです?!
あれ、止めますよ!!!」
そう慌てだしたのはユキヤ。
確かこういう若干ホラー的なのが大の苦手だったはず。
焦って眼鏡落として、知らないところに話しかけ始めちゃってるよ、これはユキヤ戦闘不能。
というか、若干ホラーじゃなくてすごい勢いでホラーなんだけど、なんなの!?
「ちょ、シノ!
どうにかしてよ!!」
シノの背中を押して、頼むと珍しく真剣な顔つきになった。
まさか、言霊で相手を倒すのか、心から期待した瞬間。
「友達になれるかもしれないよー?」
「お前は何を見てるんだよぉぉぉぉ!!!!!!!」
あの、ニヤつくウザイ顔を蹴り飛ばし、次はユキトに頼む。
って、ユキトの姿がない。
辺りを見渡すと、変なもじゃもじゃした物体が二つ転がっていた。
「....ユキ...ト...????」
白目むいたもじゃもじゃが2人。
ということはこれは、アホ双子兄弟か!!!!!!!
お前らなんのために今日ここにいるんだよ..........
怖がりにもほどがあるだろ!!
..って、残ったのは僕だけ?
何すればいいの?まってほんとに、いや、別に全然怖くないけどさ、ね?経験的に先輩のみんなに頼むのが普通っていうか!!!
目の前まで迫ってきた大きな物体は、僕の顔スレスレで止まり、どこが口かわからないところから声を発した。
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