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no side.
ここは、紫軍の軍基地内。
薄暗く、至る所に蛇の肖像が置かれていて、見るからに不気味だった。
それもそのはず、紫軍を司る神は、南東の騰蛇だからだ。
軍のロビーにいるある一人の女と男が会話をしていた。
「緋軍と組んだの..?」
淡々とした話し方。
冷静、と言う言葉よりも何もかもに関心がないような感じが強い。
この女の名をレイナ、20歳。
少々長い髪の毛を、紫のリボンで軽くサイドに結ってあり、何よりもまつげが長いのが特徴。
「元々、緋軍とは組んでたじゃないか
何も全部今に始まったことでもないだろう」
直接頭に流れ込んでくるような声をしているのは、男の方、名をシンラ、レイナより1つ歳上の21歳だが、身長の差は大きくなく、むしろ年下のように見える。
黒いストールのようなものを口の周りにまいているおかげなのかなんなのか、声が直接脳へと届くような話し方ができる。
そしてながい前髪を左に分け、実質顔で見えるのは右目のみ。
表情も何一つわからないが、本人やレイナいわく、結構笑うらしい。
「黒軍に仕掛けたんでしょ..
4大軍になりたてっていう..」
「そうそう、新しい軍のくせして調子に乗りすぎだと思うけどな、ボクは。
所詮、4大軍なんて名前だけだろ?
実際そこまで実力なんてないじゃないか」
「確かにそう、あの軍は強くはない。
優しい人が多過ぎる..」
いろんな人からの主観があるように、この軍にもそれぞれ主観があるのは当たり前。
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