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それが、考えることな真逆なほど主観は大きく変わる。
完全実力主義な緋軍や紫軍程、協力や連携を大切とし公平に考える黒軍の言動や言動が理解できない事と同じく、黒軍から見れば実力主義がよく理解できないものである。
「けれど、黒軍をなめすぎてもだめ..」
ひと呼吸おき、レイナは続けた。
「あそこには化け物という禁忌を犯した人間がいるから」
「なにか見えるの?」
見える、とはレイナの特殊能力である。
レイナの特殊能力は『未来予知』、中々珍しい能力であり、この能力を使う人間は両手の指を合わせたほど。
「別に、見えるわけじゃない...
勘だから..」
「ふは...勘??
何それ、当てにならないな」
レイナの言葉に吹き出したシンラは、レイナを見上げた。
今の発言が少し恥ずかしかったのか、少々頬を赤くしたレイナを見ながらシンラは目を閉じた。
「黒軍の団長は、少し変わっている..
だから、あそこは沢山変わり者がいる..」
「知ってるさ
何?怖いの?」
少し茶化すように聞くシンラを、無視。
「俺が守るから、とかそんなベタなことは言わないさ」
「馬鹿...」
紫軍の中で一番中の良いふたりは、言うまでもなく恋仲。
基本的にどこの軍でも、規則はないため誰がどんな関係になっても見向きもしない。 それが、完全実力主義ならもっと。
桜が月に照らされている。
まだ少し肌寒い風が吹く。
満開の桜まで後、少し。
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