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ロン side.
ソウヤが、能力を使って何とか生きることのできたサクヒは未だに固くまぶたを閉じたまま。
能力での反動を自らの体で受けたダメージも大きいしく、当分戦争に出すことはいけないらしい。
それも当たり前、サクヒはなかなか休みをとろうとしないから、疲労が重なり倒れることも何度かあった。
いい機会だ、一度ちゃんとに休んでもらった方がいいのかもしれない。
「サク..」
おさなななじみの(幼馴染みが言えない)俺らは、ニックネームで呼んでた時期があって、俺はサクヒのことをサクと呼び、サクヒは俺のことをロン兄と呼んでいたことがある。
仮にも俺はサクヒより、3つ歳上。
それ故なのか、兄扱いをされたこともしばしば、まぁ、サクヒにならそう思われてもどうとも思わないけれども。
今になっちゃ、ロン兄だなんて呼ばなくはなってしまったけど性格や仕草は相変わらず変わらないまま。
「..ん..」
ふと、サクヒが動いたかと思えば固く閉じていたまぶたがゆっくりと開いていった。
「サクヒ!!!!」
俺は堪らず、サクヒの名前を呼ぶとどうやら状況が少しずつわかってきたらしく、一言
「 ....あ......そっか....
ごめんね」
そういった。
サクヒは、よく謝る。
誰に対しても、何に対しても。
「謝らないでヨ
サクヒはワルクナイでしょ」
「...悪いとか悪くないとかじゃないんだ」
静かに呟くようにサクヒは言っていた。
「今回の事件は俺の問題として処理してよ
事件にするほうが面倒くさいからさ」
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