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暫く後を追うと青々とした木が生い茂る山に着いた。途端に冥はその場から少し離れた。地面に青い炎が灯り焦がす。
冥「危ないじゃないですか。木に燃え移ったら。」
冥は自分の前方の大樹の枝に立っている遥子に笑顔で言った。
遥子「大丈夫よ。あんた以外焼かない自信あるから。」
冥「それは恐ろしい。では僕も少し抵抗しますね。」
そう言うと冥は制服のポケットから三枚の札を取り出した。それぞれ描かれている紋様が少し違う。
遥子「やってみなさいよ。
【狐火・火柱】」
冥の足下が青く光ったと思うと吹き上がる様に冥の体を炎が包む。遥子はそれを冷たい目で見ていた。
遥子「ふん。」
『よく、やった。あいつはお前の邪魔をする。絶対にな。速めに対処して正解だったぞ。』
遥子「・・・そうよ。私は間違ってなんかない。」
遥子はその場を去ろうとした。瞬間言い知れぬ悪寒を感じ横に飛ぶ。遥子のいた場所を何かが通りすぎ幹に刺さった。見るとそれは矢だった。全てが金属で出来た矢。
遥子「な?!・・・嘘・・・何で?」
遥子はそこから目を離せなかった。遥子の視界に最初に入ったのは水だった。何かを囲うように重力を無視して浮かぶ水。その次は冥が取り出した札だ。青い光を放ちそこから水が出ているようだ。
最後に捉えたのは平然と笑みを浮かべる冥の姿だった。
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