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暫くして、遥子は目覚めた。特に体に異常はなかった。それが逆に不気味でもある。それに男の姿も消えていた。殺さずに逃げたのだろうか? 遥子「何だったの?」 訳が分からないが考えても仕方無いので遥子はその場を去った。その日の夜。遥子は暗い場所にいた。さっき、床に着いたばかりの筈なので夢だと直ぐにわかった。 遥子「夢ね。最近全然見てなかったのに。」 一人呟きながら辺りを見てみるが何もない。無さすぎて不気味な程に。とりあえず進んでみようかと足を一歩踏み出した瞬間、声が聞こえた。 ?「孤独は寂しいか?」 遥子「はぁ?あなた、誰?」 抑揚のない低い声。少なくとも遥子には覚えがない声だ。 ?「独りは辛いか?周りが疎ましいか?」 遥子「意味の分からないことを。 別に周りがどうであっても私には関係ない。」 嘘だ。少なくとも彼女は求めている。心から友達が欲しいと。 ?「くっくっく。嘘が下手だな。呼吸がブレたぞ?素直になれ。欲に身を委ねろ。俺に任せれば独りから開放してやろう。」 心臓が高鳴った。願ってもないチャンス。この時彼女の脳は正常に動いていなかった。でなければ気づいていただろう。自分以外の妖気がこの空間にあることに。 遥子「・・・いいわ。話は聞いてあげる。」 彼女は欲に沈んでしまった。
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