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今さら何を考えているんだろう。
その「可愛い」にくらくらしなくなったからの今日。
その「可愛い」に違和感を覚えたからの今日。
「ごめん、やっぱり私――――」
そうやって言葉を濁しながらも、切り出したのは私だった。
そして、あわよくばそのまま電話で済めばと思った。
けれど、そんな私の思惑とは裏腹に彼は私を食事に誘った。
「今月も定休は金曜日?」
大学を卒業し、お互い就職してからは月始めに連絡しあっていた仕事のシフト。
ここ二ヶ月はおざなりになっていたやり取り。
頷く私に、彼は「六時までには行くから」と用件だけを手短に言うと直ぐに電話を切った。
重苦しい気持ちが広がった。
それと同時に、何故察してもらえないのだろうと、やり場のない苛立ちを覚えた。
我ながら自分勝手だとは思っている。
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