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本気でよく判っていない哀れな男に、俺はずいと顔を寄せた。
じっくりと、その顔を眺めてやる。
先輩とはいえ、こんなアホ面の男が上杉に言い寄っているところを想像しただけで、このネクタイを引っ掴み、シャツをめためたに引き裂いてやりたくなる。
男を剥いて楽しくなる趣味はないが、それでこのアホ面が辱めを受けるというのなら、少しは気が晴れそうだ。
1を聞いて10を知るというのは無茶でも、2・3聞いて7でも8にでも発展させるような園田さんに、あえて宣言する必要はない。
俺の今の標的は、とりあえずこのアホ面だ。
「上杉は、
俺が目をつけてるんです。
後から割り込んでこないで下さいね」
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