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――ある晩。
ソファに座りあぐらをかいてテレビを観ていた潤一に 勇は言葉をかけた。
「潤一、僕お風呂行ってくるわ」
潤一は視線を画面から勇に移し、応えた。
「…おー」
勇が風呂場へと歩きだすと、潤一は手元に置いてあったリモコンでテレビの電源を落とした。
そして、立ち上がっていそいそと勇の後ろについていく。
「…♪」
「……」
後ろから鼻歌が聴こえてくる。
勇は振り返って潤一をジトッと見た。
「…何用かな潤一君」
「いやあ、たまには勇さんの背中でもお流し差し上げようかと…」
「あ、いいです別に。」
NO、と片手を差し出して拒否する勇。
「……良いじゃんかよー!!たまにはよー!
一緒に入ろうぜ勇ー!」
潤一は勇の肩に腕をまわし、だれる。
それに鬱陶しそうに眉間に力を入れた勇の頬は少し赤みがさしていた。
「…う……もう!
テレビ観てろよ!」
潤一の手を振り払った。
「えー…えへへ、照れるなよ勇ー」
「てっ…?!
て、照れてないし!!」
「なー…風呂でキャッキャうふふしようぜ?」
「…お前…、やっぱそれが目的だったんだな…」
こうして勇は潤一に背を押され、半ば強制的に一緒に風呂に入ることとなった。
「…う…」
「はいはい」
二人は脱衣所に入り、服を脱ぎ始めた。
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