誕生日

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  勇の視線が潤一に向けられる。 彼の顔は紅潮していた。 「こ…今夜は…好きにして良いよ」 「っ… ぎゃあああああ!!!」 ――いつか、そんな言葉を言われるのを夢見ていた。 まさかその言葉をこんな唐突に言われるなんて。 潤一は発狂した。 「?! 潤…一…?」 座ったまま顔を手で覆い、膝に突っ伏して悶え苦しむ潤一に驚く勇。 何だかよくわからないが、彼の広い背中をそっとさすった。 すると彼はガバッと起き上がる。 「わっ…?!」 じーっと勇を見つめる潤一。     「あのー…、…駄目…?」 「いいえ!! 全然!! むしろ超嬉しいです!!」 ガッ と勇の両肩を掴む。 それによって少しバランスを崩した勇は、後ろに倒れた。 ソファーの上で押し倒されたような状況になる。 潤一の顔が近い。 また勇の顔が赤色に染まる。 「…う…… その…っ、 僕でよければ…貰って」 「…は、はい……有り難く頂戴します」 何だコレ…と呟きつつ、勇は潤一に身を委ねる。    *** 「…あ…っ…!」 「っ…ん」  
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