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***
「…ん」
勇は目を開けた。
怠い身体を起こし、
カーテンが開いたままの窓の外を見ると、空は青く明るい。
「……」
ぼーっと辺りを見渡す。
机の上は、昨晩の皿やカップなどが置かれたまま。
次に時計に目をやった。
――8時05分。
「…」
学校の登校時間は8時20分。
残りは15分。
その短時間で身仕度、さらにこんな自然に囲まれた場所から学校までの長い距離を行かなければならない。
当然 間に合うはずがない。
「…お…
起きろ潤一っ!!!」
「ふがっ?!」
勇は慌てて床で寝ていた裸の潤一をたたき起こした。
「うわあぁあ!!…もう遅刻だコレ!」
二人の絶叫は家中に響いた――。
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