少子化対策

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  ある日の真夜中、 自然に囲まれた一軒家に、小さな光。 その光はベッドルームをわずかに明るく点す。 部屋のダブルベッドには少年が二人、向き合って横になっていた。 「…なあ勇、」 潤一は勇に詰め寄り、耳元で囁く。 囁かれた言葉と、潤一の息が耳に当たり、勇は身体をビクッとさせた。 「な、…なに」 勇は自分の顔が熱くなるのがわかった。 「…この日本のためにも 少子化対策…しようぜ」 「…は?」     「は?…って、 だからさ、人口増加の手助けをだな…」 「あ?」 「…いや…、やらないか って…」 「…え?」 潤一はショボン…と元気を無くす。 「……ダメ…っすか」 「…潤一、お前馬鹿じゃない? 男同士でヤっても社会に貢献できないだろ」 「…」 潤一は枕に顔を埋めて表情がわからないが、勇は続けた。 「ダメじゃないからさ、 …回りくどい事言わないでストレートに言いなよ」 「…… …やりたいです勇さん」 「……ん…」  
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