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潤一がお手拭きで口元を拭きながら、それに応える。
「…ん、だって勇の料理美味くて箸がすすむんだもん」
「そうかい、そりゃどうも」
ニッ と笑う勇を見て、自分の為に施してくれたことが嬉しくて潤一も笑った。
潤一は、ふと勇の口元を見ると、その口の端にご飯粒のかけらが付いていた。
「…ん」
自分の口の端を人差し指で指さし、勇に知らせる。
「勇、ここ付いてるぜ」
「へ?」
見兼ねた潤一は、勇の隣に移動してペロリ、とご飯粒を取ってやった。
「…?! …え…ちょっ…」
「うん、取れた」
すると、勇の頬は みるみる赤みがさしていく。
「ばっ…か…」
「へへっ」
再びニコッと笑い簡単に小恥ずかしいことをやってのけた潤一に
呆気に取られた勇だったが、ある事を思い出す。
「…あ、そうだ潤一、」
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