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その動きを封じるべく、両開きの扉が勢いよく蹴破られ、精霊族の騎士団がなだれこんできた。
「チッ、雑魚どもめ!」
低く舌打ちして、レイチェルが敏捷にそちらに向かう。
この時になって、姫はレイチェル以外の妖精騎士がいないことに気づいた。
父は、レイチェルだけを率いてこの城に乗り込んできたのだろうか。
(お父様、なぜ……!?)
不吉な予感が、姫の胸裡に膨れあがってゆく。
思わずふりあおいだ父の顔は、悲愴な決意に満ちていた。
(いけない、とめなければ……!!)
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