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ゴゴゴ……と揺れが激しくなる中、姫は父王のもとへ駆け寄ろうとした。
その刹那、カーティスがふりむきざま、姫の方に片手をかざした。
(え……!?)
姫は、愕然と目をみはった。
カーティスとは、かなりの距離があるはずだった。
だが、一瞬にして姫はカーティスの指先から伸びる長い触手に手足を絡めとられていた。
「俺に攻撃すれば、姫もただでは済まんぞ」
油断なく薔薇の妖精王を牽制しつつ、カーティスはふわりと空中に浮きあがった。
触手に絡めとられた姫の体も、一緒だ。
最初の揺れで既に城の天井は崩れ、姫の体を触手で巻き取ったまま、カーティスは夜空の高みへと舞いあがった。
「待てっ!!」
薔薇の妖精王も彼を追って、上空へと舞いあがる。
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