第2章

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2年前のあの日から、表面上は平和になったように見える。 しかし、邪悪な精霊族と聖なる種族の争いは、水面下ではむしろ激化していた。 国同士の戦争や種族間の紛争が全面的に禁じられているため、闇の激闘が表沙汰になることは決してない。 だが、邪悪な精霊族vs妖精族という構図は変わらず、さまざまな奸計を用いて互いに相手を滅そうとしていた。 敵を舞踏会に招いて騙し討ちにするなど日常茶飯事、邪悪な精霊族が好んで使う手だった。 罠だと知りつつ招待に応じ、返り討ちにしたという話もよく聞く。 ほかにも、妖精族が邪悪な精霊族を辺境の森におびき出して殺したり、そんなことは枚挙に暇がなかった。
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