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「また後でね、姉上。レイチェルに変な真似されたら大声で人を呼ぶんだよ」
からかうように瞳をきらめかせて、アンジェラスはいたずらっぽくウインクしてみせた。
「アンジェラスさまっ!!私は決してそのような……」
レイチェルは真っ赤になって、うろたえたようにアンジェラスに詰め寄った。
〈水晶宮界〉屈指の剣豪、薔薇の妖精騎士団長も、アンジェラスの前では形無しである。
白い手の甲を優美に口もとに当てて、シャルディアラはクスクス笑った。
「あっ……レイチェル」
アンジェラスに連れられて退出しようとしていたシェリィが、ふと何かに気づいた様子で立ちどまった。
ひどく焦ったように、おたおたとレイチェルをみつめる。
「あっ、あのっ、レイチェル、ごめんね、レイチェルの分のお花摘んでこなかった……ごめんね、ごめんね。ごめんなさい……」
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